名古屋鉄道が9日発表した2024年4〜6月期の連結決算は、純利益が前年同期比45%増の104億円だった。4〜6月期としては比較可能な03年以降で過去最高となった。新型コロナウイルス禍からの需要回復などに伴い交通事業が好調だったことに加え、不動産の分譲マンション事業が伸びた。
売上高にあたる営業収益は18%増の1661億円だった。事業別の営業利益では交通事業が53%増で最も伸びが大きかった。定期外を中心に、コロナ禍からの需要回復が進んだ。
たとえば中部国際空港(愛知県常滑市)と名鉄名古屋駅を結ぶ空港線では定期外の利用者数が32%増えた。同空港からのインバウンド(訪日外国人)や、愛知県国際展示場(常滑市)へ向かう客が増加した。3月に実施した鉄道の運賃引き上げなども伸びに寄与した。
日本通運子会社のNXトランスポートの連結子会社化などに伴い、負ののれん発生益を19億円計上し、特別利益が膨らんだ。
名鉄の高崎裕樹社長は9日に開いた記者会見で「グループ全体の稼ぐ力はほぼコロナ前に近づいてきているが、完全には戻っていない。さらに収益を向上させたい」と語った。
2025年3月期の通期予想は従来予想を据え置いた。営業収益は前期比12%増の6750億円、純利益は15%増の280億円を見込む。
名鉄は同日、グループの経営ビジョンを象徴する「名鉄×WAO!!(メイテツワオ)」とのスローガンを策定したと発表した。テレビCMや駅構内のポスターを展開するという。
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