ゼンショーホールディングスが9日発表した2024年4〜6月期の連結決算は、純利益が前年同期比62%増の107億円だった。同期間では過去最高を更新し、事前の市場予想平均(88億円)を上回った。4月に一部商品を値上げした「すき家」や「はま寿司」などが国内外で好調だった。23年9月に買収した海外すしチェーンも寄与した。
売上高は24%増の2665億円、営業利益は80%増の172億円で共に最高を更新した。純利益の通期予想に対する進捗率は29%だった。売上高営業利益率は6.5%と前年同期比2ポイント増え、吉野家ホールディングス(1.9%)や松屋フーズホールディングス(0.4%)を上回った。人件費が増える中、デジタル機器の導入などで効率化も進めた。
営業利益を事業別にみると、「グローバルすき家」が47%増の54億円と好調だった。国内で4月に一部商品の値上げや深夜料金を導入したが、既存店の客数は4月に3.9%増、5月に2.2%増、6月に2.8%増と堅調だ。客単価も各月で5〜7%程度増えた。新商品の投入などが奏功した。
「グローバルはま寿司」の営業利益は2.2倍の38億円だった。はま寿司では値上げを抑えて100円すし中心のメニュー構成にし、同業他社より割安感を打ち出した。魚介類など原材料価格の高騰も落ち着いた。
グループ全体で1万店超を展開する海外も好調だった。「グローバルファストフード」の営業利益は2.3倍の60億円と全事業で最も大きかった。23年9月に買収したスノーフォックス・トップコの収益を初めて計上した効果も出た。
通期予想は据え置いた。25年3月期通期では国内の外食企業では初の1兆円超えとなる売上高1兆800億円(前期比12%増)を見込む。純利益は21%増の370億円、営業利益は16%増の625億円を見込み、いずれも最高を更新する。
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