第一三共は7日、米メルクのがん治療薬候補について、開発や販売で提携を発表した。肺がんを対象にした抗体薬物複合体(ADC)との併用療法などを共同開発する。主力とするADCの価値を向上させ、多様ながんに対処できるようにする狙いがある。
第一三共はメルクに対して契約一時金として1億7000万ドル(約250億円)を支払う。開発費や市場投入後に得た利益は両社で折半するが、日本における販売については第一三共がメルクからロイヤルティーを受け取る。
対象となるメルクの候補薬「MK-6070」は、がん患者を対象に臨床試験(治験)が進行中だ。免疫細胞であるT細胞を病変部分に近づけて攻撃させ、がんの成長を抑制させる効果が期待されている。米食品医薬品局(FDA)からは小細胞肺がんの治療で希少疾病用医薬品の指定を受けた。
第一三共は抗体医薬と呼ばれるバイオ医薬品とがん細胞を攻撃する薬剤を組み合わせたADCに強みをもつ。メルクとは次世代ADCの開発で2023年10月に提携を発表している。
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