日本郵船は5日、2025年3月期の年間配当を期初予想から100円増やし260円にすると発表した。事前の市場予想の年間配当(約215円)を上回った。4〜9月期末と25年3月期末の配当をいずれも期初予想の80円から130円に引き上げる。前期比では年120円の増配になる。
緊迫が続く中東情勢などを背景にコンテナ船運賃が高騰しており、7月22日に25年3月期の業績予想を上方修正した。純利益は期初予想から1450億円上振れし、前期比71%増の3900億円を見込む。日本郵船は連結配当性向30%を目安としており、利益の伸びにあわせて配当予想を引き上げた。
5日のオンラインでの記者会見で曽我貴也社長は「当初想定より大きくなった数字に基づき増配を決めた」と述べた。
25年3月期の業績が上振れするのは、海運3社が出資するコンテナ船会社「オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)」からの持ち分法投資利益が増えるためだ。中東の紅海を避けてアフリカの喜望峰を迂回するルートが定着し、輸送日数が長くなりコンテナ船の需給が引き締まって運賃が高騰している。
また、日本郵船が自前で手掛ける自動車輸送船やばら積み船、液化天然ガス(LNG)などのエネルギー輸送船も好調なことも寄与する。
同日発表した2024年4〜6月期の連結決算は、売上高が前年同期比15%増の6517億円、純利益は50%増の1102億円だった。定期船事業で運賃単価が上昇した。航空運送事業ではアジア発欧米向けを中心に荷動きが堅調だった。
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