25年1〜3月期からラオス工場を再稼働しHDD向け部材を増産する(HOYAのラオス工場)

HOYAは1日、2024年4〜9月期(国際会計基準)の連結業績予想を公表した。純利益で前年同期比11%増の950億円を見込む。ハードディスク駆動装置(HDD)に使うガラス基板で顧客の在庫整理が進み、需要が伸びる。24年3月期まで好調だっためがねレンズ関連は、3月下旬に発生したシステム障害の影響で落ち込む。

売上高にあたる売上収益は16%増の4300億円を見込む。HDD向けのほか、最先端半導体の量産に欠かせないEUV(極端紫外線)露光装置に使うマスクブランクスも伸びる。AI(人工知能)半導体の研究開発が活発化していることなどが追い風となる。

めがねレンズや眼内レンズなどライフケア事業は落ち込む。3月30日から4月23日までサイバー攻撃によるシステム障害が発生したことが響く。足元の4〜6月期の同事業の利益は42%減の177億円だった。売り上げを回復するために販促費が膨らんでおり、4〜9月期も減益になる見通し。

今後、HDDや半導体関連では、需要回復を受け生産量を拡大する方針だ。25年1〜3月期には長期停止していたラオス工場を再稼働させる。EUV向け材料も増産を前倒しする。同日オンラインで会見した広岡亮・最高財務責任者(CFO)は「供給拡大に向けた準備が必要となり、24年度下期以降は減価償却の負担が増える」と話した。

同日発表した4〜6月期連結決算は、売上収益が前年同期比17%増の2137億円、純利益が23%増の471億円だった。

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