飲料の中にダイヤの模様が浮かび上がる(1日、大阪市)

サントリーホールディングス(HD)は1日、特殊な機器を用いて液体中に立体的なイラストを描いた飲料の試験販売を大阪市のカフェで始めた。「3Dフードプリンター」と呼ぶ機器を使い、インクとなる飲料が沈殿や拡散しないようにした。2025年度中にも飲食店に機器を貸し出すなど事業化をめざす。

試験販売は大阪駅前の複合施設、グランフロント大阪の「カフェラボ」で9月20日まで実施する。ピーチなど3種類の味を用意した清涼飲料水に、ダイヤやバラ、猫などの絵を注文に応じて描く。価格はイートインで990円、テイクアウトで972円。

3Dフードプリンターを使って液体中に絵を描く(1日、大阪市)

サントリーHD傘下のサントリーグローバルイノベーションセンターが独自開発した3Dフードプリンター「リドリス」を使った。ベースとなる飲料とインク素材の重量密度を同じにして、分子の大きさやインクを吐き出すノズルの太さを調節した。インクが浮き沈みせず水中で形を保てるようにした。水の中に色水を配置する技術は世界初だという。

今後は飲食店やイベントなどに機器を貸し出して収益化することをめざす。将来的にはインク部分を薬にすることで、子どもや年配者が飲みやすくするなどの活用法も視野に入れる。担当者は「絵が浮かぶ面白さだけでなく、医療や介護などの健康分野でも貢献したい」と話す。

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