業務用プリンターメーカーのローランドディージー(DG)は1日、浜松市内のホテルで開いた臨時株主総会で、株式の非公開化に向けた株式併合や定款変更の議案を可決した。承認を受け、9月3日に上場廃止となる。その後も田部耕平社長が経営にあたる。

ローランドDGを巡っては、米投資ファンドのタイヨウ・パシフィック・パートナーズと組み実施したMBO(経営陣が参加する買収)が5月に成立していた。タイヨウは同社の大株主で、2020年からは経営にも参画し、業績回復を支えてきた。タイヨウがかかわったMBO案件としてはローランドDGのかつての親会社、ローランドのケースがある。

ローランドDGは主力の低溶剤プリンター依存からの脱却を図ってきたが、抜本的な改革には一時的な財務状況の悪化など、痛みを伴う取り組みも必要と判断。同社は「非公開化により、短期的な株式市場からの評価にとらわれず、機動的な意思決定を可能とする経営体制を構築する」としている。

今後は、右肩上がりになっていた棚卸し資産(在庫)水準の適正化に向けて生産・販売体制の見直しに取り組み、新興国での販売事業に人材や資金を投じて体制を強化する。23年に買収したリトアニアの壁紙材メーカーの事業を軌道に乗せることも重点目標に掲げる。

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