「GDS2024世界デジタルサミット」で討論する(右から)デジタル庁の村上敬亮統括官、慶応義塾大学大学院の白坂成功教授、エヌビディアの井崎武士エンタープライズ事業本部長、エクイニクス・ジャパンの小川久仁子社長(1日、東京都千代田区)

「GDS2024 世界デジタルサミット」(主催:日本経済新聞社)初日の1日午後には「『データ』と『ヒト』の共創が描くスマートソサエティ」をテーマにパネル討論が開かれた。エクイニクス・ジャパンの小川久仁子社長や慶応義塾大学大学院の白坂成功教授らが参加し、スマートソサエティについて議論を交わした。

政府が掲げる「ソサエティ5.0」は経済発展と社会問題の解決の両立を目指している。パネル討論では「ソサエティ5.0」の実現に向け、エコシステムや業界を横断した協業の必要性が強調された。

エクイニクスが運営するデジタルプラットフォームでは、同社と連携する多数の企業のサービスも利用できる。小川社長は「10〜20年かけてこうしたエコシステムを作ってきており、今の強みになっている」と話した。

エヌビディアエンタープライズ事業本部の井崎武士事業本部長は自社の強みとして、「複数の企業のエコシステムが我々の開発ツール『CUDA(クーダ)』の上で動いている」と話した。

白坂教授は「デジタルだけでなく宇宙産業でも変革が起こっている」と話し、さらなる発展のために業界を横断した取り組みの必要性を強調した。「ソサエティ5.0」では、これまで接点がなかった複数の産業をつなげ、「新しい産業領域を生み出す」と話した。

新技術がサービスとして社会に普及することについて、デジタル庁の村上敬亮統括官は「技術を生かすための組織作りが困難であることが障壁になっている」と大手日本企業の問題点を指摘した。人工衛星を開発するSynspective(シンスペクティブ、東京・江東)の共同創業者である白坂教授は「宇宙開発は収益性が低く、大手とスタートアップの協業が難しかったが、少しずつ進みつつある」とした。

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