サワイグループホールディングス(GHD)傘下の沢井製薬は1日、第二九州工場(福岡県飯塚市)で新棟の竣工式を開いた。12月ごろの出荷に向けて試作などの準備を進めている。後発薬は供給不足が社会課題となっており、木村元彦社長は「いち早く多くの製品の本格生産に移行したい」と意気込みを語った。
新棟は地上7階建てで延べ床面積約3万平方メートル。2026年度までに生産能力を年35億錠まで高める計画だ。サワイGHD全体の生産能力は185億錠(23年度末時点)で、新棟がフル稼働すれば生産能力は2割拡大する。
蓮尾俊也生産本部長は「生産規模は標準型だが、より効率良い生産を進められる工場だ」と語った。倉庫と製造室が直結し、コンベヤーを使わずクレーンのみで中間材料を運搬できる。中間材料の運搬にかかる時間を従来より3分の1以下にできるという。
沢井製薬も含むメーカーの品質不正などを発端に後発薬は供給不足が課題となっている。政府もメーカーの増産や業界再編などを求めている。木村社長は「(新棟の竣工で)増産体制が整ったので、出荷制限になっている品目の再開にも踏み切りたい」と話した。
竣工式には福岡県の江口勝副知事も出席し「医療不安の解消に向けた後発薬の安定供給とともに、新たな雇用創出による地域への貢献にも期待したい」と語った。
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