仮想の消費者の声を商品開発に生かす

カシオ計算機は31日、SNS分析を手掛けるスタートアップのAIQ(アイキュー、東京・文京)に8.2%出資したと発表した。アイキューはSNSに投稿された投稿を分析して仮想の消費者をつくる技術を持つ。カシオはアイキューの技術を使って消費者の声を集め、商品開発に生かす。流行の変化が激しい若年層の需要に対応する。

アイキューの既存株主から取得した。取得額は非公表だが、数億円規模とみられる。

アイキューは2017年に創業した。画像共有アプリ「インスタグラム」などの個人の投稿を人工知能(AI)で分析し、特定のアカウントの嗜好や考え方を踏襲した仮想の消費者を作る。特定の個人情報には触れないように情報収集している。

カシオは従来、実際に学生などを集めて商品に対する意見や感想を聞いていたが、時間や場所、人数に制約があった。主力の腕時計「Gショック」は開発に1~2年かかり、商品を発売する頃には実際の流行とズレが生じることが課題だった。仮想の消費者にインタビューし、商品開発の効率化につなげる。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。