原子力規制委員会は20日、山中伸介委員長らが中国電力の島根原子力発電所(松江市)を視察した。同原発2号機は12月の再稼働を予定する。山中委員長は視察後、島根・鳥取両県の知事ら周辺2県6市の首長と意見交換し、「安全対策工事がほぼ完成したのを自身の目で確認できた」と述べた。
2号機については東日本大震災後に策定した新基準に基づく規制委の審査が完了し、中国電力は12月に再稼働する方針だ。2011年に事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)としては、東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)が11月ごろの再稼働を予定している。
意見交換会では島根県の丸山達也知事が「中国電力にとっては(東日本大震災後で)初めての再稼働となる。スケジュールありきでない対応をお願いしたい」と述べた。中国電力の中川賢剛社長は「安全最優先で着実に準備を進めたい」とした。
島根原発は日本の原発で唯一、県庁所在地に立地し、避難・屋内退避の対象となる30キロ圏内に約45万人が住む。首長からは屋内退避が長期化した際などの運用について説明を求める意見が多く出た。原発を巡りトラブルが相次いだ中国電力に対し、厳格な審査を求める声も相次いだ。
規制委は全国の原発周辺の自治体と18年から意見交換会を実施しており、島根県では初めてとなる。
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