オーブレーは秋田県内に4工場を持つ(湯沢市の湯沢工場)

精密部品製造のOrbray(オーブレー、東京・足立)は18日、4工場ある秋田県内の生産体制を強化すると発表した。秋田県湯沢市の新本社工場建設に併せ売却予定だった湯沢第二工場と、継続するか未定としていた横手市の横手工場の存続を決めた。足元や今後の受注増に対応し、生産増強と効率化をめざす。

湯沢第二工場はサファイア基板加工やパワー半導体用の新素材基板加工を手掛け、今後も受注増を見込めるという。湯沢工場で手掛けるサファイア基板加工の最終工程を2026〜27年に移し、一貫して加工できるラインを整える。

横手工場は光ファイバーをつなぐコネクター部品など光通信関連部品を生産する。人工知能(AI)の普及を受けてデータセンター用部材の売り上げが大きく増えているという。今後、医療用ポンプや医療用モーターの製造拠点としても検討する。

新本社工場は26年末をメドに本社社屋を完成させるほか、新工場棟建設を前倒しして27年末の完成をめざす。並木里也子社長は「現場で積み上げてきた加工技術がある。さらに磨き上げて海外市場への訴求力を高めたい」と強調した。

また29年12月期まで5カ年の中期経営計画をまとめた。29年前半の新規株式公開(IPO)を掲げ、25年に準備チームを立ち上げる。

オーブレーは1939年創業。2023年1月にアダマンド並木精密宝石から社名変更した。工業用宝石の精密加工技術を生かし、精密宝石部品や光通信部品、小型モーターなどを製造・販売する。同年5月に湯沢市の工業団地の空き区画や隣接地を取得し、本社工場を新設する計画を公表した。

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