ヤマハは11日、浜松市の本社構内に新たなオフィス棟(本社22号館)を完成させた。多様な人材の融合を促し、イノベーションを誘発する拠点と位置づける。地上12階建てで延べ床面積は約2万2000平方メートル。投資額は約100億円。
22号館では本社機能の中枢を担う楽器・音響事業部門、営業部門、コーポレート部門の約1000人が入る。16日から順次稼働する。隣接する開発棟など3つの建物を行き来できる通路を整備し、生産や開発、営業など各機能を有機的に結ぶ。
エントランスホールは2層吹き抜け。開放的な空間にヤマハ最高峰のコンサートグランドピアノ「CFX」を展示する。同社デザイナーの作品も並べた。
1〜2階には応接室や会議室を設けた。クリアで心地よい音響空間を実現する「調音パネル」や遠隔会議向けの音響システム「ADECIA(アデシア)」のほか、廊下に情報漏洩を防ぐマスキング音を流すなど随所に同社の技術を詰め込む。
5〜11階のオフィスフロアは座席を固定しないフリーアドレス制を導入。緑ある空間や眺望の良い席、間仕切りによるプライバシー確保などにより多様な働きを促す。
環境にも配慮する。屋上には太陽光パネルを設け、外装に自然換気の取り入れ口を備えたダブルスキン(外壁の2層構造)を採用。エネルギー消費を5割以上減らす「ZEB Ready(ゼブレディー)」認証と国土交通省が主導する「CASBEE(キャスビー、建築環境総合性能評価システム)」のSランクを取得した。
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