KADOKAWAは【推しの子】のアニメの製作委員会に参画した

KADOKAWAは11日、人気アニメ「【推しの子】」を手掛けたアニメーション制作スタジオの動画工房(東京・練馬)を子会社化すると発表した。買収額は非公表としている。KADOKAWAはアニメなどの知的財産(IP)を安定的に創出し、海外展開する戦略をもつ。制作会社を傘下に加え、IP創出力を強化する。

買収した動画工房は1973年創業の老舗アニメスタジオで、従業員は24年6月時点で62人。売上高は非開示で業績に与える影響は軽微としている。「月刊少女野崎くん」「NEW GAME!」「ちいかわ」などのアニメ制作を手掛けてきた。KADOKAWAが製作委員会として参画した【推しの子】の制作も手掛け、同作品は世界で大ヒットした。

KADOKAWAは28年3月期までの中期経営計画で、24年3月期比35%増の3400億円の売上高を目指す。IP戦略の中心にアニメを据えており、年間に自社が製作に携わるタイトル数を従来の4倍の年20本に増やす。

日本動画協会(東京・文京)によると海外需要含めた日本の市場規模の22年のアニメ産業は前年比7%増の2兆9277億円。世界的にアニメの需要が高まるがクリエイターが足りていない。KADOKAWAは買収により高まるアニメ需要を取り込みたい考え。大手に傘下入りすることで労働環境の改善やクオリティーの向上にもつながると見ている。

KADOKAWAは足元で相次ぎアニメ制作スタジオを設立、買収している。制作基盤を強化することで、世界に通用するアニメ作品を増やす。

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