社会人で副業することに対する拒否感を持つ学生が減っているようだ

就職情報会社のマイナビは8日、2025年春卒業予定の学生を対象にした副業への意識調査の結果を発表した。副業を前向きに検討する学生は4割で、金銭的に苦しくなった場合に副業をしたい人は3割だった。賃上げや初任給を高める動きが広がる中でも、将来に金銭的な不安を持つ人も多いようだ。

6月下旬に全国の25年卒の大学生・大学院生を対象にインターネットでアンケートし、3808人から回答を得た。

副業について、「就職後にしたい」は15%で、「仕事に慣れたらしたい」は23%だった。「金銭的に苦しくなったら」は27%、「すでにある仕事を続ける」は1%いた。一方で「副業はしない」は3割だった。

収入を理由に副業を考える傾向が強かった。副業を検討する学生に理由を聞いたところ「自由に使えるお金を確保するため」が6割で最多だった。「生活費など生計を維持するため」は4割、「新たな知識や経験を得るため」は3割だった。同社研究員の中島英里香氏は、物価上昇が続く中で「学生は賃上げによる収入増をイメージできないのではないか」と指摘した。

就職先の給与のみでの生活について聞いたところ、「最低限の生活はできる」が半数で、「満足する生活を続けられそう」の4割弱を上回った。「生活できない」は4%だった。

学生がネットを通じて様々な年収層の生活を見る機会が増えている。中島氏は「いい面ばかりが発信され、比較して自信をなくしてしまうのではないか」と分析。そのうえで「副業に拒否感を持つ学生が減っていく傾向は今後も続きそうだ」と指摘した。

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