成田国際空港会社(NAA)は3日、3つのターミナルの集約などをとりまとめた「新しい成田空港」構想を国土交通省の平岡成哲航空局長に正式に提出した。平岡氏は「一緒に進めさせていただきたい」などと応えた。NAAは早期に国の関係者を交えて検討を進めていく方針で「国策化」に向け一歩を踏み出す。

NAAの田村社長㊨は新しい成田空港構想を国交省に提出した

提出後、報道陣の取材に応じたNAAの田村明比古社長は「国際航空需要が伸びていくなか様々な議論を重ね、構想の内容は恥ずかしくないものだと考える。資金面でも勝手な期待ではあるが、ご支援いただければと思っている」と語った。

構想は2029年に3本目の滑走路が新設され、発着容量などが大きく拡大することに伴い検討が始まった。成田空港は開業から45年以上たち施設などが老朽化、かつての「闘争」の影響も引きずり空港内外のアクセスも比較的悪い。便数が増えるなか韓国・仁川や香港など、海外の主要空港に見劣りしない施設づくりを進めようとした。

NAAや関連自治体、航空に詳しい識者などで構成する検討会が22年10月に初会合を開催。既存の第1、第2、第3ターミナルの集約や鉄道駅の新設、貨物施設の整備など基本方針のほか、具体的な工事過程や費用などを議論し24年6月に構想をとりまとめた。

第3滑走路は「国策」として進めたことにより、予算も付けられ実現に近づいている。新しい成田空港構想には成田空港駅の廃止、新しい鉄道駅の設置などが盛り込まれているが、鉄道事業者との話し合いは難航している。関係者が多いなか国交省に限らず他の省庁などを巻き込み調整を進めていくとみられる。

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