スズキの株主総会で鈴木社長は認証不正について謝罪した(27日午前、浜松市)

スズキは27日、浜松市内のホテルで定時株主総会を開いた。過去の生産車で発覚した自動車の「型式指定」を巡る認証不正について、鈴木俊宏社長は総会の冒頭で「ご心配とご迷惑をおかけしたことをおわび申し上げる」と謝罪した。

スズキは6月に不正を公表した。2014年に型式申請した軽商用車「アルト」のブレーキを繰り返しかけたときの停止距離を測る試験で、停止距離を実際の結果よりも短く書き換えて申請していた。同社は安全性に問題はないとしているが、国土交通省が立ち入り検査をして不正行為の実態を調べている。

総会で鈴木社長は、16年の燃費・排出ガス試験の不正発覚以降に実施している職場対話などの対策を紹介し、「引き続きコンプライアンス強化に全社で努めていく」と強調した。

会場からは23年より1問少ない5問の質問があったが、認証不正に関連する質問はなかった。出席した株主からは総会後に「もう少し説明してくれないと、本当に反省しているのか疑ってしまう」(74歳の女性株主)との声も聞かれた。

総会には244人の株主が出席した。午前10時に開会し、鈴木社長らの取締役選任の議案を可決して前年並みの97分で閉会した。

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