ダイハツ工業は小型トラックなど生産終了した3車種でリコールを届け出る方針だ(大阪府池田市の本社)

ダイハツ工業は25日、認証試験の不正問題に伴う国土交通省の技術検証を受けた小型トラック「グランマックス」など3車種について、後面衝突時の燃料漏れ試験で基準を満たしていないと判断されたと発表した。3車種とも既に生産を終了しており、ダイハツは合計約2万3000台のリコールを届け出る方針だ。

基準を満たさなかったのは「グランマックス」のほか、トヨタ自動車向けにOEM(相手先ブランドによる生産)供給していた「タウンエース」とマツダ向け「ボンゴ」のトラックタイプ。

3車種はいずれも、認証試験での不正行為の悪質性が高いとして、2024年1月に車の量産に必要な「型式指定」を取り消されていた。エアバッグを起動させる際、センサーで衝撃を感知させるところでタイマーを使っていた点が問題視されていた。

今回の検証では、車体後方の衝突時にバッテリーを固定する金具が外れる不具合が判明した。ダイハツの星加宏昌副社長は同日オンラインで開いた記者説明会で「現時点で火災など(安全上の)大きな問題にはつながらないと考えている」と述べた。

国交省の今回の技術検証では、生産終了分を含む国内向けの45車種が対象だった。25日までに全ての検証が終わり、3車種以外では安全性が確認された。

ダイハツは23年末から停止していた国内4工場の稼働を24年5月上旬までに再開した。星加副社長は「受注は前年以上の水準まで戻っており、8月くらいからはフル生産に戻れるのではないか」と話した。

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