マツダの株主総会では「型式指定」を巡る不適切行為について質問があった(25日、広島県府中町)

マツダは25日、広島県府中町の同社本社内で定時株主総会を開いた。株主からは自動車の量産に必要な認証「型式指定」を巡る不適切行為について質問があがった。毛籠勝弘社長は「多大なるご迷惑ご心配をかけて改めて深くおわびする」と謝罪し、「再発防止に万全を尽くして信頼回復に努める」と強調した。

マツダは「マツダ2」など5車種で不適切な認証試験が見つかった。エンジンの出力試験で制御ソフトを書き換えていたほか、衝突試験でセンサーを使ってエアバッグを作動させるべきところをタイマーで作動させていた。国はマツダに立ち入り検査をして詳しい事実関係を調べながら、問題となった車種が基準に合っていたか検査を進めている。

総会では株主から認証問題への認識を問う質問があがった。毛籠社長は「法令順守はいかなる場合も極めて重要な前提であり、違反を起こしてはならない」と説明した。そのうえで「エンジニアが顧客目線で合理的に試験をしようとしたが、法令への認識が不十分で違反した」と背景を語り、「組織ぐるみや意図的なものではなかった」と釈明した。

再発防止に向けて認証試験の手順書を明確にするといった対策を打つ考えを示した。ほかにも今後の電動化方針や、マツダが得意とする内燃機関「ロータリーエンジン」について説明を求める質問が続いた。

広島市内から出席した60代の男性株主は「認証問題を深く反省し、再発を絶対に防ぐ決意を感じた」と話した。同じく市内から参加した50代の男性は「現実的な計画に基づいて電動化を進めながら、内燃機関分野では強みのロータリーをもっと伸ばしてほしい」と会社側に期待を寄せた。

午前10時から開会し、オンラインを含めて242人の株主が参加した。毛籠社長らの取締役選任の議案などを諮って可決し、前年並みの2時間弱で閉会。会場からの質問は昨年より3問多い17問あった。

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