富士通は英郵便局の冤罪事件を受け特別委員会を設置したと明らかにした

富士通は24日、横浜市で定時株主総会を開いた。英子会社の会計システムの欠陥に端を発した英郵便局の冤罪(えんざい)事件を受け、社内で特別委員会を設置したことを明らかにした。時田隆仁社長は「コーポレートガバナンス(企業統治)としても、この事案に向き合っていく」と話した。

委員会の設置時期や構成メンバーは明らかにしていない。事件を巡っては英政府が設置した独立調査委員会の調査が続いている。調査は7段階で構成されており、現在は第5段階の終わりから第6段階の始まりにある。第7段階は9月をめどに実施される予定だ。

時田社長は総会の冒頭で同事案を踏まえて陳謝し「被害を受けられた方々が公正な結果が得られるよう早期の解決を望んでおり、今後も調査に全面的に協力していく」と述べた。

英国では国有企業ポストオフィスが郵便局の窓口業務を手掛ける。1999年の会計システム刷新後、窓口の現金がシステム上の残高よりも少なくなる問題が頻発した。ポストオフィスは郵便局長らを横領や不正経理の罪で訴追し、2015年までに700人以上が罪に問われた。

富士通は国内では、証明書のコンビニ交付サービスを巡り他人の住民票が誤って交付される事案もあった。時田社長は同事案についても陳謝し「社会システムを担う企業としての責務を今一度認識し、システム品質の改善、向上に全力で取り組む」との認識を示した。

株主総会の出席株主数は富士通役員9人を含めて159人で、質問数は11件、所要時間は1時間50分だった。

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