全国農業協同組合中央会(JA全中)の山野徹会長は18日までに共同通信のインタビューに応じ、食料安全保障を基本理念に据えた改正食料・農業・農村基本法が5月に成立したことに関し、日本農業の転換点になるとの認識を示した。持続可能な農業の鍵を握る生産コストの価格転嫁については「できる品目から議論すべきだ」と述べ、一例として乳製品を挙げた。

 山野氏は「日本の農業の弱体化が進む中で何かをやらないといけない」と危機感を表明。農業経営の大規模化が必要だと述べる一方、地方では小規模農家や高齢農家抜きでは成り立たない状況だとし、多様な担い手の確保が重要だと強調した。

 肥料や資材などの生産コストが上昇しても農産品への価格転嫁が進まない問題について「日本の場合(消費者は)少しでも安いものをとなる」と述べ、流通業者から消費者まで各層の理解を得る必要があると指摘。肉や野菜など幅広い品目を一気に進めるのは難しいとして、農林水産省の審議会で既に議論が始まっている乳製品から取り組むことを提案した。

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