太平洋工業は17日、岐阜県で電動車向け部品の新工場を建設すると発表した。北大垣工場(岐阜県神戸町)の敷地内に建設する。投資額は約45億円で、2025年3月の稼働開始を予定する。電気自動車(EV)の冷房や車載電池の冷却に使う部品などを生産する。電動化の普及に備える。

熱を冷気に効率よく変換できる「電子膨張弁」と呼ぶ部品をはじめ、開発中のバルブ製品も含め電動車向けを中心に生産する。

電子膨張弁はEVやプラグインハイブリッド車(PHV)に使う省エネ型の冷暖房システム「ヒートポンプ」の重要部品で、デンソーに供給することが決まっている。

モーターを使って走るEVやPHVはエンジンほどの熱が出ないため、車内外の熱と少量の電気をエネルギー源として効率よく使うヒートポンプが重要になっている。

太平洋工業はバルブ関連、車体部品、車の樹脂部品を事業の3本柱とする。売り上げの多くはトヨタグループ向けが占める。今後電動車の生産が拡大するとみて、EVの軽量化に貢献する「超ハイテン(高張力鋼板)材」を使った加工難度の高い部品の増産などにも投資している。

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