新紙幣の表面の見本。上から1万円札、5千円札、千円札
約20年ぶりの新紙幣発行が始まる7月3日まで1カ月を切った。紙幣を扱う企業は自動販売機や券売機などの機器改修を急いでいるが、高額な費用がハードルとなり、一部では間に合わない見通しだ。消費者にとっては、買い物をする際に手持ちの現金で支払えず、不便やトラブルが生じる可能性がある。 紙幣デザインの刷新は2004年以来で、1万円札、5千円札、千円札の3種類が対象。新紙幣発行後も現在の紙幣は引き続き使うことができるが、自販機や券売機などは更新が必要となる。 財務省が各業界を対象として今年5月に実施した調査によると、発行開始までに新紙幣が使えるようになる機器の割合は、金融機関のATMでは9割以上だった。小売店などのレジや交通機関の切符の券売機も8~9割と準備が進んでいる。一方で、飲食店の券売機や駐車場の精算機は5割、飲料の自販機は2~3割と対応にばらつきが見られた。 特に遅れが目立っているのが飲料の自販機。業界団体の日本自動販売システム機械工業会によると、全国の設置台数は約220万台に上る。
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