日立製作所は生成AIを用いて顧客企業の業務改善につなげる

日立製作所は4日、米マイクロソフト(MS)と生成AI(人工知能)分野で協業し、業務システムを共同開発すると発表した。MSの生成AI活用のノウハウを日立のIT(情報技術)システムに組み込んで顧客企業に提案する。日立はMSとの協業事業によって、今後3年間で数十億ドル(数千億円)の販売増を見込む。

金融や公共、製造など幅広い分野の顧客のIT部門の業務効率化につなげる。日立のデジタルトランスフォーメーション(DX)支援事業「ルマーダ」とMSの生成AIサービス「アジュール・オープンAI・サービス」などを組み合わせて、顧客の事業領域や業務内容に応じたITシステムを提供する。

例えば、システム障害時の対応において、マニュアルデータを読み込んだAIが異常を早期検知し、即座に対処方法を提示する機能を追加できる。日立社内で先行導入した際にはシステム運用の担当者の対応時間を3分の2に短縮できたという。

日立とMSはこれまでもデータセンターサービスを顧客に提供するなど共同事業を展開してきた。新たに両社でAIシステムの開発に乗り出すことで、顧客の事業や業務内容に最適なITシステムを供給できるとしている。

外部顧客に提供するだけでなく、日立グループ27万人の社員もMSのAI技術を利用する。MSの業務ソフト「ワード」や「パワーポイント」などでAI機能を活用して資料作成業務などを効率化する。IT部門ではプログラミング業務の簡略化のためにもMSのAIを活用する。

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