転勤を嫌がる若い世代が増えています。人材不足の折、転勤制度があること自体が採用活動に不利になりかねません。そのため企業は勤務地を社員が選べる制度を導入するなどして対応しています。転勤するかどうかの主導権は会社から働き手に移りつつあります。参考になる記事を選びました。(内容や肩書などは掲載当時のものです)

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手当増えても「受け入れない」

共働き世代が増えていることもあり、若い世代を中心に転勤を嫌がる人が増えています。転勤を命じられたことで会社を辞められれば企業にとっては痛手。そのため、企業は手当を厚くするなどしてつなぎ留めようとしています。

4月からは労働契約法制が変わりました。企業は従業員を雇用する際に、転勤する可能性のある地域をあらかじめ明示しなくてはいけなくなりました。

手当が増えただけでは転勤を受け入れない、という声もあります。パーソル総合研究所の調査では、基本給の3割以上の手当があっても「転勤を受け入れない」と答えた人が4割でした。不本意な転勤を受け入れるくらいなら会社を辞めるという人も4割。就職活動をする人の2割が、転勤のある会社は受けないと答えました。

  • ・転勤後押し、手当で報いる 明治安田生命やみずほFG
  • ・なくせ配属ガチャ、一歩ずつ キリンは採用10コース
  • ・住友生命、営業管理職に転勤手当 3年で最大150万円
  • ・手当増えても「転勤受け入れない」4割 パーソル調べ

世界ではまれな雇用慣行

会社は適正な人員配置で経営環境と雇用を守ってきました。社員も働く場所の決定権を会社に委ねる代わりに、雇用保証を得てきたという歴史があります。ところが終身雇用が当たり前ではなくなり、企業側も転勤のあり方を見直さざるを得なくなっています。

そもそも日本の転勤制度は、世界ではまれな雇用慣行です。リクルートワークス研究所の2020年の「5カ国リレーション調査」によれば、本人の同意がなくても転勤が「ある」とする回答は日本が18.8%でした。米国の6.3倍、フランスの2.4倍です。日本の転勤制度は曲がり角にあると言えます。

  • ・転勤、新制度でどうなる? 「聞いてないよ」解消に一手
  • ・転勤制度は続くのか? 「先駆け」AIG損保の創意工夫
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