稲とアガベは男鹿駅近くに宿泊施設を開業する(秋田県男鹿市)

「クラフトサケ」醸造のスタートアップ、稲とアガベ(秋田県男鹿市)は6月3日、JR男鹿駅近くに宿泊施設を開業する。企業から旧社宅3棟を借りてリノベーション(大規模改修)し、1棟貸しの2施設とゲストハウスを整えた。観光客を呼び込むインフラを整え、街のにぎわいづくりにつなげる狙いだ。

施設の名称は「ひるね」。昼寝がしたくなるほど寝心地や居心地のいい宿を目指して名付けた。観光庁や市の補助金を活用した。一般の予約は10日から受け付ける。

枕や掛け布団など寝心地のよさにもこだわった(男鹿市)

1棟貸しにはツインやダブルを1室ずつ設けた。台所やリビングもあり、6人まで泊まれる。3人で利用すると1人あたりの宿泊料金は8000円からになる。ゲストハウスは2段ベッドが2つあるドミトリーのほか、ツインとダブルの個室も1室ずつ設けた。ドミトリーの宿泊料金は1人4000円から、個室は同6000円から。

男鹿駅周辺の船川地区は2023年3月の地元ホテル廃業後、宿泊施設がなくなった。稲とアガベが運営する完全予約制レストランの利用客は秋田市などに宿泊するケースが多い。岡住修兵社長は「宿泊施設があれば観光客はもっと長い時間滞在でき、周辺の飲食店などを巡ってもらえる」と話す。

クラフトサケは日本酒の技術をベースに造り、ブドウなどの果物や茶といった副原料を交えたり、もろみを搾らない「どぶろく」にしたりする。素材の味や香りを強調し、産地の自然環境や気候、歴史文化なども伝えやすい。

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