南海バスは27年ぶりに運賃を改定する

南海バス(堺市)は31日、7月1日から路線バスの運賃改定を行うと発表した。堺市内などの均一運賃区間では10円ずつ運賃が上がるほか、対キロ区間制の路線では20〜30円引き上げる。燃料費や人件費の上昇を背景に、消費税率改定を除けば1997年1月以来、27年ぶりの運賃改定となる。

国土交通省近畿運輸局に2月29日に上限運賃の変更認可申請を行い、5月31日に認可を受けた。均一運賃区間は堺市内の一部や泉北ニュータウン、関西空港島が対象。対キロ運賃区間の初乗り運賃は30円引き上げて200円になるほか、初乗り以降の区間では20円ずつ引き上げる。

自治体からコミュニティーバスとして運行受託する、旧金剛バスの区間のほか、長距離高速バスでは改定は行わない。

南海バスは南海電気鉄道の100%子会社で、大阪府南部を中心に路線バスを営業する。ガソリン価格の高騰や乗務員確保に伴う人件費上昇のほか、老朽化車両の更新など安全対策の設備投資への費用増加を改定の理由とする。運賃改定で、実施運賃ベースでは3億円ほどの収支改善を見込む一方、改定後もバス事業は黒字化しない見通し。

【関連記事】

  • ・JR西日本、京阪神の運賃改定申請 25年4月に体系一本化
  • ・徳島バス、市内運賃40円上げ大人250円に 10月から
  • ・長野の長電バス、2025年に上限運賃改定 初乗り200円に
  • ・南海電鉄の純利益最高に 24年3月期239億円、旅客回復

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。