長屋の庭部分は芝生のオープン空間で、地域住民も気軽に利用できる(奈良県橿原市)

古民家再生事業を手掛けるナラティブ(奈良市)は奈良県橿原市の今井町に食の複合施設「narawashi nagaya(ならわしながや)」を6月1日にオープンする。築約150年の古民家の長屋を全面改修した。同町は国の重要伝統的建造物群保存地区に指定され、江戸時代の町並みが人気を集める。カフェやショップのほか、テラス空間なども設け、奈良の新たな食の発信拠点と地域のにぎわいづくりを目指す。

施設に入居するデザートカフェ「ドゥルケコムニコ」では、奈良の果実を使ったデザートのコースとティーペアリングを提供する。同カフェのスペースは国内外の料理人の期間限定レストランや、レンタルキッチンなどにも活用する。南都銀行とナラティブが運営する電子商取引(EC)サイト初の実店舗「ならわしストア」も出店。奈良の地酒を中心に地元の名産品を販売する。さらにテナント部分も設けて入居を募る。

「ドゥルケコムニコ」のデザートを監修する堀田シェフは「旬の奈良の恵みを生かす」と話す

地域の記憶を刻む古民家と食文化をつなぐプロジェクトの一環で、「共利共生」をテーマに生産者や消費者がつながる場所を目指す。ナラティブの大久保泰佑社長は「奈良県内に新しい食文化をつくっていく」と抱負を述べた。

ドゥルケコムニコのデザートを監修するミシュラン一つ星シェフの堀田大樹さんは「世界中から奈良の食を目指して来てもらえるようにしたい。若い世代が故郷でもできるという希望になれれば」と語った。

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