28日の東京株式市場で東北電力株が急伸した。一時前日比171円50銭(12%)高の1565円50銭となり2019年1月以来、5年4カ月ぶりの高値をつけた。27日に女川原子力発電所(宮城県女川町、石巻市)2号機の安全対策工事が完了したと発表した。工事は前倒しで終わり、9月ごろの再稼働に向けて作業を進める。再稼働による燃料費の低減が収益改善につながるとの期待から急速に買いが集まった。
終値は150円(11%)高の1544円と、東証プライム市場の値上がり率で1位だった。女川原発2号機を巡っては過去、再稼働の時期を複数回に渡り延期。その影響で火力発電の燃料費などが膨れ上がり、収益悪化から株価の押し下げ要因になっていた。
みずほ証券は27日、目標株価を1700円と従来目標(1000円)から引き上げた。新家法昌シニアアナリストは「東京電力管内を中心に東日本で電力需要が増える場合、同地域と電力の系統がつながる東北電の中長期的な成長機会になりうる」と再稼働の将来性を評価する。
一方、野村証券は目標株価(1470円)を据え置いている。山崎慎一リサーチアナリストは「過去の原発再稼働では設備不良のトラブルが起きた。女川原発でもこうしたリスクを考慮する必要がある」と指摘していた。
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