スタートアップのRevo Energy(レボエナジー、大阪市)は28日、ミドリムシを利用したバイオ燃料でトラックを動かす事業を開始すると発表した。太陽光で発電した電気を用いて稲を育て、抽出した培養液でミドリムシを育てて燃料をつくる。試験的な燃料プラントを2024年12月までに大阪府箕面市に設け、配送事業者とトラックの走行実証を開始する。

レボエナジーの中谷代表は「将来的には国内のすべてのトラックをまかなえる5000基の設置を実現したい」と話した(28日、大阪市)

2億円超を投じて箕面市に設ける試験プラントでは1日200から400リットルのバイオ燃料をつくる計画だ。実証結果を踏まえて、2025年度に1日の生産能力が2000リットルのプラントを運送事業者向けに発売する。想定価格は3億3000万円で、別途年間の管理費用もかかる。

28日に大阪市内で開いた記者会見で中谷敏也代表は「運送事業者は初期導入費を4~5年で回収できる計算だ」と話した。25年度に5基のプラントを受注したい考えだ。

イネの培養液でミドリムシを育て、油脂を取り出すことで燃料をつくる

プラント内でエネルギーの調達から燃料の製造まで完結することから、同社は「完全循環型」と説明している。トラックの燃料として一般的な化石燃料由来の軽油と比較して、製造から使用に至るまでの二酸化炭素(CO2)の排出量を抑えられると見込む。

同日、レボエナジーを代表企業とするコンソーシアムの設立も発表した。池田泉州銀行や佐川急便系のSGムービング(東京・江東)などが参画した。三井住友海上火災保険も実証中の保険や、事業化後の保険商品の開発などを見据えてコンソーシアムに加わった。同社の中山弘・関西企業営業第三部長は「新しい保険や保証の仕組みが必要になる」と指摘した。

レボエナジーは2022年設立で、培養などを担うラボを吹田市に構えている。25年国際博覧会(大阪・関西万博)では大阪府・市の「大阪ヘルスケアパビリオン」に出展する予定だ。

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