外食店を展開するサンマルクホールディングス(HD)は21日、2029年3月期を最終年とする5カ年の中期経営計画を発表した。主力のレストランや喫茶事業をてこ入れし、連結売上高を前期比24%増の800億円、営業利益を2.5倍の65億円に伸ばす。

同社は21年に26年3月期までの中計を公表していた。新型コロナウイルス禍に伴う出店の遅れや退店の増加で、実績が計画を下回っていた。

新型コロナの流行が落ち着くなか、同社は不採算店舗の退店などでグループの総店舗数を1年で793から742(24年3月末)に減らした。足元では店舗あたりの売り上げはコロナ禍前を超える水準にまで回復している。

今後は全国200店舗ある主力のパスタ店「鎌倉パスタ」の派生ブランドを強化する。料理のボリュームが多めの「てっぱんのスパゲッティ」、昼から夕方のスイーツを売りにする「おだしもん」の出店を増やす。客数の戻りが鈍い「サンマルクカフェ」など喫茶ではセルフレジの導入などで、店舗運営の効率を高める。

前期末の現預金と、29年3月期までの営業キャッシュフローの合計を420億円と見込む。このうち、100億円をM&A(合併・買収)や機動的な株主還元に充当する。配当には50億円、設備投資に170億円をそれぞれ充てる計画だ。

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