アステラス製薬は双腕ロボットを創薬研究や製造に生かす

アステラス製薬は21日、産業用ロボットを手掛ける安川電機とロボット技術の活用に向けて覚書を結んだと発表した。双腕のロボットに細胞の培養や分化の作業を担当させ、創薬研究だけでなく医薬品製造における工程の自動化を目指す。自社内での活用のみならず、研究機関やスタートアップへの提供を視野に開発する。

利用するのは安川電機子会社のロボティック・バイオロジー・インスティテュートが開発したヒト型ロボット「Maholo(まほろ)」。アステラスでは2本のアームを駆使してiPS細胞由来の細胞を扱う。

細胞医療製品をつくる作業は繊細で、高度な技術が求められる。まほろは、熟練技術者と同等以上の精度で作業できるという。さらに1台で複数の工程を担当できるため、手作業よりも効率良く大量の細胞を作れる利点がある。人間による細胞の汚染リスクも避けられ、品質管理がしやすい。

アステラスは2017年に創薬研究用にまほろを導入し、iPSの培養や高品質化に向けて開発を進めてきた。今回の覚書は新たに製造現場での活用を目指すものだ。具体的な提携内容については今後検討する。

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