三菱ふそうトラック・バスは15日、年内にもバス運転手の人材派遣を始めると発表した。工場の従業員をバス事業者に有償で派遣する。バスの運転手不足を背景に、全国で減便や廃止が相次ぐ。人材派遣で路線の維持を支えることで、バス事業の縮小を防ぎたい考えだ。

自動車メーカーが人材派遣を手掛けるのは珍しい。子会社でバス生産を担う三菱ふそうバス製造(富山市)が人材派遣の許認可を取得し、バス運転手の人材派遣を始める。

三菱ふそうバス製造には約700人が在籍している。派遣する従業員にはバスの運転に必要な大型2種免許の取得支援を行う。三菱ふそうトラック・バスはバス事業者の需要を見極めたうえで、本格的に事業化をするか検討するという。

運転手の労働規制が強化される「2024年問題」はバス業界にも影響が出ている。1日から拘束時間や勤務間インターバルの制限強化で人手不足が深刻化し、減便に踏み切る事業者が相次ぐ。

路線の減便・廃止が増えれば、バスの売り上げに影響する。三菱ふそうトラック・バスは路線を支えることでバス事業の縮小を防ぐほか、人材派遣で収益の底上げにもつなげたい考え。

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