工場のインフラ設備を管理する人材を育成する(21日、千葉県我孫子市)

NEC子会社のNECファシリティーズ(東京・港)は21日、工場のインフラ設備を管理する人材を育成する研修施設を新設した。クリーンルームや電気設備、排水処理設備など実際の工場と同様の設備を設置し、実践的に経験を積めるようにした。半導体工場などで施設管理需要が高まっていることに備え、人材育成を急ぐ。

NEC我孫子事業場(千葉県我孫子市)内に設置した。投資額は10億円。数年に一度のトラブルを模擬的に発生させて復旧作業を習得できるようにしたほか、メンテナンス対応などを学べるようにした。年間約300人を対象に研修を実施する。

これまで同社の研修は職場内訓練(OJT)中心で、一人前の人材を育てるのに12年程度かかっていた。新施設の活用で育成期間を6年程度に半減することを目指す。

NECファシリティーズは工場やデータセンターの電気や空調、給排水などの施設管理を手掛ける。施設管理拠点数は169拠点で、そのうち2割が半導体工場という。

半導体需要は中長期で伸びる見通しで、国内でも工場の建設が増えている。橋谷直樹社長は同日の説明会で「2030年には半導体工場の施設管理には2倍の人員が必要になると試算している。日本で人口減少や高齢化が進む中、施設管理要員の生産性を1.5倍にしないと需要には応えられない」話した。

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