東宝が15日発表した2024年2月期連結決算は、純利益が前の期比35%増の452億円だった。従来予想を92億円、事前の市場予想平均を68億円上回り、過去最高だった。映画「ゴジラ-1.0」が国内で興行収入70億円超とヒットし、北米でも邦画実写作品として歴代最高の興収を記録した。配当は年85円(前の期は60円)と25円上方修正した。
同日、最大240億円の自社株買いの実施も発表した。発行済み株式総数(自己株式除く)の2.3%にあたる400万株を上限に取得する。
売上高にあたる営業収入は16%増の2833億円だった。主力の映画事業がけん引した。ゴジラ以外では「名探偵コナン黒鉄の魚影」が興行収入100億円超えを記録し好調だった。昨年12月公開の「劇場版SPY×FAMILY CODE:White」、24年2月公開の「劇場版ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦」などアニメ映画の大型ヒット作が押し上げた。
映画事業のセグメント利益は54%増の447億円と大きく増えた。なかでもアニメ作品の動画配信や商品化権、スマホゲームなどの「映像事業」の利益は157億円と93%増えた。
25年2月期の連結売上高は前期比1%減の2800億円、純利益は14%減の390億円を見込む。利益減を受け、配当計画は年70円に減らす。映画の大型ヒット作の反動減を見込むためだが、太古伸幸副社長は同日の決算発表会見で「直近までの最高益を超える水準で、期初の予想としては高い数字だ」と述べた。
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