三菱重工業は21日、欧州鉄鋼大手アルセロール・ミタルなどと共同で高炉ガスから二酸化炭素(CO2)を回収する実証実験を始めたと発表した。ベルギーにあるミタルのゲント製鉄所で今後1〜2年程度稼働させる。運転中の高炉で生じる高炉ガスから長期間CO2を回収するのは業界で初めての取り組み。将来的に同製鉄所で排出される大半のCO2回収を目指す。
実証実験は三菱重工とミタルのほか豪資源大手BHP、三菱商事子会社の三菱デベロップメントが共同で実施する。4社は22年10月に製鉄所のCO2回収の実証実験を始めると発表していた。まず高炉のガスから日量0.3トンのCO2を回収する。その後、鉄の圧延工程で使われる再加熱用の炉の排ガスに含まれるCO2の分離、回収にも取り組む。
鉄鋼業界は産業界の中でもCO2排出の割合が大きい。高炉よりCO2排出が少ない電炉の活用も進められているが、各社にとって高炉の脱炭素化は不可欠で技術の実証や導入を急いでいる。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。