キリンビールは15日、主力の缶チューハイ「氷結」から廃棄予定の果物などを原料に使った「mottainaiプロジェクト」を始めると発表した。第1弾商品として同社発祥地、横浜市の特産物「浜なし」の規格外品を使った「氷結 mottainai 浜なし」を5月7日に発売する。1本売り上げるごとに1円を農家に寄付する仕組みも設ける。
浜なしは2015年に商標登録された横浜のブランド梨。住宅地が多い土地柄上、農家による直売が多いためスーパーなどに出回らず「幻の梨」とも呼ばれる。完熟直前に収穫するため、時機を逃すと蜜が多くて軟らかすぎる「みつ症」と呼ぶ状態になり規格外になる。主要品種である「豊水」では収穫量の5%程度、多い年で2割が廃棄されるという。
キリンビールは規格外の浜なしを正規品と同水準の価格で横浜農業協同組合(JA横浜)から調達する。廃棄予定の4割に相当する2万2000個のロス削減をめざす。コンビニ想定価格は350ミリリットル缶が179円。通常の氷結(同170円)に比べて高く設定した。18万ケース(1ケース350ミリリットル24本換算)の販売で約400万円の寄付をめざす。
年内にも別の原料を使った第2弾商品を発売したい考えだ。他の原料と合わせ、27年には年150トンのロス削減に貢献できるとみる。マーケティング本部の加藤麻里子氏は「若年層はフードロスや社会貢献に一番感度が高い」と話す。従来の氷結は40〜50代の消費者がメインというが、プロジェクトを通じて20〜30代の若年層を狙う。
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