「シャウエッセン」ブランドの海外での拡販を狙う

日本ハムは17日、2027年3月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画を発表した。27年3月期の純利益(国際会計基準)を24年3月期比35%増の380億円に引き上げる。ソーセージの主力ブランド「シャウエッセン」でシンガポールへの輸出を始めるなどアジアや北米市場を開拓する。生産ラインの統合や削減などで収益性も高める。

売上高は6%増の1兆3800億円、営業利益にあたる事業利益は36%増の610億円を掲げる。稼ぐ力を示す売上高事業利益率は4.4%と、1ポイント改善する。拠点の統合や不採算ラインの見直しで生産ライン数を現状の2割削減する。

日本ハムは4月、ソーセージなどを生産する北海道旭川市の工場でシンガポールへの輸出認可を取得した。テスト販売などで知名度を高め、シャウエッセンの世界販売を増やす。27年3月期にはシャウエッセンの国内外での売上高(小売りベース)を24年3月期比2割増の900億円に高める。30年3月期には1000億円台に乗せたい考えだ。

3年間の総投資額は1442億円を見込む。うち942億円は加工食品事業の設備更新や食肉事業の拡大のために投じる。残りの500億円はシャウエッセンをはじめとしたブランドの充実や環境対応などに投じる計画だ。株主還元も進め、25年3月期には発行済み株式(自己株式を除く)の3.9%に相当する上限200億円の自社株買いを実施する。

プロ野球日本ハムファイターズの北海道北広島市の新球場を核としたボールパーク事業では、オフシーズンでも楽しめるイベントを開催して通年の来場を促す。

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