北陸鉄道(金沢市)の宮岸武司社長は17日、石川県や沿線自治体と協議している鉄道2路線の運営方法について「北陸鉄道としても、みなし上下分離に同意している」と述べた。みなし上下分離方式が採用されれば、所有権を移転せずに県や沿線自治体が線路などのインフラ管理、北陸鉄道が列車の運行を担うことになる。

北陸鉄道の宮岸社長は「車両や変電所の老朽化対策が待ったなし」と話した(17日、金沢市)

2日には金沢市など沿線自治体の首長が同方式の要望書を石川県の馳浩知事に提出し、馳知事が同意する意向を示した。宮岸社長は鉄道設備の保有と運行を分ける「上下分離方式(公設民営型)」を求めてきたとした上で「車両や変電所などの老朽化対策が待ったなしなので、みなし上下分離方式の同意に至った」と話した。

北陸鉄道の鉄道路線は石川線(野町―鶴来間、13.8キロメートル)と浅野川線(北鉄金沢―内灘間、6.8キロメートル)の2線。2024年3月期は両路線で2億1600万円の赤字を計上し、赤字幅は前の期と比べて3500万円増加した。

17日発表した24年3月期の連結決算は、純利益が前の期比26%増の8億2500万円だった。能登半島地震に伴う特別損失を2億400万円計上したが、インバウンド(訪日外国人)の増加や過疎地域を運行する赤字のバス路線への補助金などが寄与した。25年3月期の業績予想は未定とした。

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