パナソニックホールディングス(HD)の楠見雄規社長兼グループ最高経営責任者(CEO)は17日、経営方針説明会を開き、2024年度を最終年度とする中期経営計画の進捗を説明した。目標として掲げた3つの指標のうち、自己資本利益率(ROE)と累積営業利益は達成が難しいとの認識を示し「期待に応えられなかった」と陳謝した。
パナソニックHDは24年度までの3年間に「累積営業キャッシュフロー2兆円、累積営業利益1.5兆円、ROE10%以上」の達成を目指している。このうち営業キャッシュフローは目標に届く可能性が高い。ただ、累積営業利益は3年間で約1兆円になる見通しで、24年度のROEも7%程度になりそうだ。
楠見氏は過去2年について「キャッシュフロー重視の経営が根付いてきた」とする一方、「(重点投資領域に掲げる)電気自動車(EV)電池やヒートポンプ暖房で想定外の市況変化があった。収益を支えるべき事業領域も含めて、株主や投資家の期待に応えられていない」と振り返った。
24年度から事業部単位で投下資本利益率(ROIC)を定期的に点検・分析し、成長性や収益性の低い事業のテコ入れを進める考えを示した。
楠見氏は事業構造改革について「パナソニックオートモーティブシステムズを外部に出す決断をしたが、今後は事業部や製品領域単位での判断になってくる」と説明した。事業環境の厳しい分野としてファクトリーオートメーション(FA)機器やテレビを挙げた。
EV電池は主に米テスラ向けに供給するネバダ工場の生産性を、30年度に23年度比で15%以上高める。ヒートポンプ暖房は商品力を強化しながら、欧州の暖房設置業者と連携し現地の販路の拡大に取り組む。
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