鹿島は17日、2050年度にサプライチェーン(供給網)全体の二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにした上で、すべての調達資材をサステナブル(持続可能)なものに切り替える目標を公表した。自社の排出量を削減するだけでなく、調達から解体後まで包括することで、全社を挙げて脱炭素に取り組む。
長期環境目標「鹿島環境ビジョン2050plus」に盛り込んだ。26年度と30年度、50年度の短期・中期・長期のそれぞれで供給網全体を含めたCO2排出量「スコープ3」や主要資材における再生材の使用率、環境認証等の取得件数などの目標を設定した。生物多様性の損失を止めて回復軌道に乗せる「ネイチャーポジティブ」の実現も盛り込んだ。
CO2はスコープ3で26年度に21年度比10%減、30年度に25%減とし、50年度に実質ゼロを目指す。再生材の使用率は26年度に40%、30年度に60%として、50年度には全資材を持続可能な製品とする。低炭素コンクリートや電炉鋼を使った鉄骨の利用を拡大するなど、調達方針そのものを見直す。
現時点では技術的に未成熟なものもあり、技術の発展に加えコストも課題となりそうだ。同日記者会見した内田道也常務執行役員は「価格転嫁をどうするかは時代に合わせ、顧客と話しながら考えていくことになる」と述べ、不動産デベロッパーなどとの協議を進めていく意向を示した。
【関連記事】
- ・大阪万博にCO2吸い込むドーム 鹿島が試験施工
- ・日本勢「ブルーカーボン」先行 鹿島、海藻再生でCO2減
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。