セブンのPB「セブンプレミアムゴールド」シリーズは本格的な味わい食品をそろえた(東京都千代田区のセブンイレブン)

セブン &アイホールディングス(HD)は17日、自社のプライベートブランド(PB)「セブンプレミアム」の累計売上高(販売ベース)が2023年度に15兆円の大台を超えたと発表した。食品を中心に品ぞろえを増やし、グループのコンビニエンスストアやスーパーなどで消費者の支持を得た。物価高でPBへの需要は高まっており、24年度の売上高は前年度比500億円増の1兆5000億円とする計画だ。

セブンプレミアムはグループ共通のPBとして07年5月に発売した。当初の商品数は49。総菜の「ひじき煮」(発売時価格は118円)やカップ麺の「しょうゆヌードル」(同88円)の人気が高かった。24年2月末時点で商品数は食品以外に日用品や衣料品などにも及び約3400に拡大した。

基幹ブランドをセブンプレミアムとし、消費者嗜好の変化に合わせて派生ブランドを増やしてきた。10年には上質な品質や味わいを売りにした高価格帯の「セブンゴールド」を開始。13年には入れたてのコーヒー「セブンカフェ」も始め、コンビニコーヒー普及に一役買った。22年には低価格帯の「セブン・ザ・プライス」を始め、物価高による食品など生活必需品への節約志向に対応した。

23年度には年間売上高が単品10億円以上となる商品が303品あった。このうち加工食品が45%を占める。23年度の売上高上位の商品は、人気ラーメン店と組んだカップ麺「蒙古タンメン中本 辛旨味噌 122グラム」(価格は237円)が首位。2位に「毎日の食卓牛乳 1000ミリリットル」(257円)が続いた。23年度のセブンプレミアム全体の売上高は新型コロナウイルス禍前の19年度比横ばいの1兆4500億円だった。

セブンプレミアムはイオンの「トップバリュ」と並ぶ国内小売業の有力なPBだ。イオンのトップバリュは24年2月期に売上高1兆10億円となり、今期も過去最高を更新する計画を掲げるなど、消費者の小売業のPBへの関心は高まっている。

セブンプレミアムは「品質を保証し消費者に安心して購入してもらう」という考えで、開始当初からメーカー名を商品ラベルに記載している。グループのセブン―イレブン・ジャパンやヨークベニマル、イトーヨーカ堂などが商品企画や原料の調達、生産面で連携するのも特徴だ。

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