中部の外食・スーパー主要8社の2024年2、3月期の連結決算が出そろった。営業損益は8社すべてで前の期から改善した。新型コロナウイルス禍が落ち着いたことで客足が回復した。原材料高の価格転嫁も進んで採算が改善した。
外食6社の前期業績は幅広い業態で回復した。23年5月に新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行して外食消費が復調。6社合計の売上高は前の期から16%伸び、営業利益は67%増だった。宴会や家族連れの客足が戻り、木曽路は営業黒字に転換した。
コスト高が続く中で価格転嫁も進んだ。「コメダ珈琲店」のコメダホールディングス(HD)は22年9月にフランチャイズチェーン(FC)加盟店に卸すコーヒーやパンを値上げした効果で採算が改善した。新規出店の拡大も寄与した。
スーパー主要2社も増益を確保した。バローHDは生鮮の販売を強化し来店動機を高めた。ヤマナカは節約志向で客足が減少したものの、プライベートブランド(PB)が好調だった。
25年3月期は外食6社全社が営業増益を予想する。壱番屋やコメダHDは主力業態以外の積極出店で業績を伸ばす。壱番屋はつけ麺店を関西で増やす計画を立てる。
ヨシックスHDは主力の居酒屋「や台ずし」を、新たに25店舗出店する計画だ。吉岡昌成会長は「北陸や東北での出店も検討している」と説明する。
好業績を維持するには円安やコスト高への対応が引き続き課題となる。焼肉店で輸入肉を使う木曽路は「(円安の)影響を最小限に抑えたい」と話す。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。