北海道新幹線の札幌延伸について、国土交通省は10日、2030年度末としてきた開業時期を再検討する有識者会議を開いた。建設主体の鉄道・運輸機構が30年度末開業は「極めて困難」と報告したため。ただ、新たな開業目標の決定時期について、同省の担当者は「現時点で示すのは困難」とした。

 会議は土木工学や経済学に詳しい5人の委員らが参加し、冒頭を除いて非公開で行われた。同省によると、機構がすでに3~4年遅れている工事の現状を説明した。今後、大手ゼネコンなどにも意見を聞きながら地質不良などのリスク要因や工期短縮策を検討し、費用も試算し直す。

 同省の担当者は、全体の8割を占めるトンネル工事で見通せないリスクがあるとして、新たな開業時期について「『30何年度』とはっきり言うかどうかも含めて議論したい」とした。(新田哲史)

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