栃木県那須町で4月、会社役員夫妻の焼損した遺体が見つかった事件で、警視庁と栃木県警の捜査本部が首謀者とみる男(32)と指示役の男(28)が事件当日、同じ車から降りる様子が東京都台東区の防犯カメラに映っていたことが捜査関係者への取材で分かった。夫妻が襲われたとみられる時間の直後だった。指示役は、首謀者の男から「1千万円超を受け取った」と供述し、捜査本部は報酬のやり取りがあったとみて調べる。
夫妻の長女の内縁の夫で会社役員の関根誠端(せいは)容疑者=東京都世田谷区=は4月16日未明から朝までの間に、共謀して宝島龍太郎さん(55)と妻の幸子さん(56)=東京都千代田区=の遺体に火を付け、損壊したとして5月6日に逮捕された。捜査本部は関根容疑者が事件の首謀者とみている。
4月29日に死体損壊容疑で逮捕された指示役で住所、職業不詳の佐々木光容疑者は関根容疑者の知人で、「誠端さんから遺体の処理を指示された」と供述。「指示を仲介役の男に下ろし、金をもらった」と話したという。
捜査本部は、夫妻は16日午前0時ごろ、東京都品川区の空き家で実行役の男2人と接触し暴行を受けたとみている。捜査関係者によると、関根、佐々木の両容疑者が16日未明、台東区の駐車場でレンタカーのワンボックスカーから降りる様子が付近の防犯カメラに映っていた。
佐々木容疑者は16日午前3時半ごろ、仲介役で建設業の平山綾拳(りょうけん)容疑者(25)=埼玉県越谷市=と品川区の居酒屋で会っており、平山容疑者はこの際に「1千数百万円の報酬を受け取った」と供述したという。捜査本部は、夫妻が空き家で暴行を受けた当日に、首謀した関根容疑者が佐々木容疑者に報酬を渡し、佐々木容疑者はさらにその一部を平山容疑者に渡したとみている。(遠藤美波、長妻昭明、藤田大道)
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