インターネット上で誹謗中傷などをした投稿者を特定するための「発信者情報」の開示を巡り、投稿後のログイン情報の開示がどこまで認められるか争われた裁判の上告審判決で、最高裁第2小法廷(尾島明裁判長)は23日、必要な事情があれば、時間的に最も近接したログイン以外の通信情報も開示対象となるとの初判断を示した。裁判官4人全員一致の意見。
裁判は、奈良県の女性が、写真共有アプリのインスタグラムで、自身になりすましてみだらな投稿をされたと主張。インスタグラムではログイン時の通信記録は残るが、投稿時の記録は残らないとして、女性がNTTドコモに対して時間的に近接するログインの通信情報開示を求めた。
一、二審は権利侵害があった通信以後の8回のログイン通信について「侵害情報の発信者と同一人物だ」として開示を認めた。ドコモが上告し、権利侵害があった通信から21日間が経過していたことなどから「開示されるべきではない」と主張していた。
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