文部科学省は来年度、病気の予防や治療の研究に使う人の血液や組織、DNAなど遺伝情報を保管するバイオバンクの活用を進めるため、国内最大級の拠点間で連携を強化する。バイオバンク・ジャパン(BBJ)と東北メディカル・メガバンク(TMM)のデータ比較を容易にする方法を開発し、事実上一体化したデータベースとして使えるようにする。

 BBJは病気の患者から、TMMは健常者から集めた生体試料や遺伝情報をそれぞれ保管している。患者と健常者の遺伝情報や体内に含まれるタンパク質、代謝物などの物質を比較すると、その違いから病気の原因を明らかにできる。連携を強化して解析の幅が広がれば、病気の仕組みを従来以上に深く理解し、診断法や治療法の開発促進が期待できる。

 東京大医科学研究所に設置されているBBJは、51の対象疾患を持つ患者から集めた約27万人分、44万症例の試料・臨床情報を保管。TMMは東北大と岩手医科大が連携して運営しており、東北地方の一般住民の試料・健康情報約15万人分を保管している。

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