スポーツ庁は20日、小学5年と中学2年の全員を対象とした2024年度全国体力テストの結果を公表した。50メートル走や握力など実技8種目の結果を点数化した体力合計点は小5女子が過去最低を更新した。中2男子は23年度より改善し新型コロナウイルス禍前の水準に戻った。小5男子と中2女子はほぼ横ばいだった。

分析に協力した中京大の中野貴博教授は、中2に比べて小5の改善がみられないと説明。「生活習慣を確立する時期が、コロナ禍と重なったことが影響している可能性がある」とした。

スポーツ庁担当者は「地域のスポーツ環境整備などにより、生活全体を通して運動機会の確保を目指したい」としている。

体力合計点(80点満点)の平均値は、小5が男子52.5点(23年度比0.1点減)、女子53.9点(同0.4点減)、中2が男子41.7点(同0.5点増)、女子47.2点(同0.1点増)。

種目別では、小5の「握力」「立ち幅跳び」、中2の「持久走」で、男女とも過去最低を更新。「長座体前屈」は中2男女で過去最高だった。

質問調査も実施。授業以外での運動時間は、1日1時間に相当する「週420分以上」の割合が23年度に比べ小学校で上昇。中学は男子が変わらず、女子は低下した。

テレビやスマートフォン、ゲーム機などの平日1日当たりの視聴時間が「3時間以上」の割合は、小中で男女とも増えた。特に中2の増え幅が大きかった。〔共同〕

【関連記事】

  • ・スポーツテストの莫大なデータ、デジタル化で有効活用を
  • ・日本勢活躍、クライミング裾野拡大 港区の学校に「壁」
  • ・体育ニガテ、ICTで克服 VRで運動のお手本学ぶ
  • ・運動会「午前だけ」定着 教員負担減、保護者歓迎の声も

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。