千葉県柏市の住宅で夫婦が殺害され、直後に近くの住宅8棟が全焼した事件で、千葉県内で公務執行妨害容疑で現行犯逮捕された職業不詳、酒巻馨容疑者(77)が、自宅があった柏市高柳で住宅に火を付け車で立ち去る様子が目撃されていたことが20日、捜査関係者への取材で分かった。容疑者は、殺害された50代夫妻の知人。柏署捜査本部は、夫妻の死亡に容疑者が関与した疑いがあるとみており、火災との関連も慎重に調べる。

殺害されたのは渡来敏明さん(59)と妻の礼子さん(59)。18日午後6時過ぎに自宅の外で、刃物のようなもので体を刺され血を流した状態で見つかった。約10分後、約650メートル先の酒巻容疑者宅周辺で住宅火災が起きているとの119番があった。容疑者宅を含む8軒が全焼、2人が負傷。捜査本部は現住建造物等放火容疑の逮捕状を得て、容疑者を捜していた。

捜査関係者によると、容疑者は、不動産業を営んでいた夫妻と金銭トラブルになったことがあった。捜査本部は、こうした経緯が火災や夫妻の死亡につながっていないか確認を進める。

捜査本部によると、千葉県印西市のあぜ道で19日夕、車に乗っていた容疑者を発見。捜査員にぶつけるように急発進させたとして現行犯逮捕した。下半身をやけどしていた容疑者は、逮捕された19日、深夜に釈放され一時入院となった。〔共同〕

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