18日午後6時10分ごろ、千葉県柏市高柳の住宅で、住人の渡来敏明さん(59)と妻、礼子さん(59)が家の外で血だらけになって倒れているのを近隣住民が見つけ、110番した。2人は上半身に刃物で刺されたような傷があり、病院で死亡が確認された。

県警は19日、殺人事件として柏署に捜査本部を設置。事件に絡み、事情を知るとみて行方を捜していた知人の70代男を公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕した。

捜査関係者によると、渡来さん夫妻は以前、不動産業を営んでおり、容疑者との間に金銭トラブルが生じていたとの情報があるという。容疑者宅は、殺人事件の通報から約10分後に119番があった火災の火元とみられる。容疑者宅を含め8軒が全焼した。捜査本部が関連を調べる。

捜査本部によると、夫妻は胸や背中に何カ所も刺し傷があった他、抵抗した際にできる防御創が腕や手のひらにあった。室内は、誰かともみ合いになったかのように荒れていた。司法解剖を20日に実施し、詳しい死因を調べる。

110番した住民は事情聴取に、誰かと争うような女性の声が18日午後6時ごろに夫妻宅から聞こえたと語ったという。

一方で同日午後6時20分ごろ、約650メートル先で住宅火災が起きているとの通報があった。8軒を焼いて約4時間半後に鎮火。容疑者とは別の高齢者2人がやけどなどを負った。

亡くなった夫妻宅は、東武鉄道高柳駅の北東約1キロ。近くに暮らす50代の男性会社員は「仕事から帰ったら、警察官やパトカーがたくさんいて物々しかった。各地で物騒な事件が多く、身近でも起きて怖い」と話した。〔共同〕

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